うみねこのなく頃に



ストーリー

Episode1

Legend of the golden witch

譲治


まず、この物語を語らないと始まらない。
Episode1「Legend of the golden witch」について語るとしようか。
この最初にして完全なる悲劇について、僕一人で語るのも皆を退屈させてしまうだろうから、強力な助っ人を呼んだよ。


譲治と紗音、六軒島ビーチにて。
譲治
紗音来てくれてありがとう。これからのストーリーをひとりで語るのはちょっとキツいので突然呼び出してしまってごめんよ。
紗音
そんな!いいえ、とても……嬉しゅうございます。
謹んでお相手を務めさせていただきます。
譲治
それじゃさっそくエピソード1『Legend of the golden witch』について話そう。
紗音
『Legend of the golden witch』…… 日本語に直すと“黄金の魔女の伝説”……で合ってますでしょうか?
譲治
うん、その通りだね。 六軒島で起こる惨劇の開幕を告げるのは、伝説の魔女ベアトリーチェだ。 彼女が真里亞ちゃんに渡したメッセージカードが開封されたとき、悪夢は始まるんだ。
紗音

はい。

恐ろしいことです……。

譲治

もっとも、僕自身はベアトリーチェの存在には懐疑的だけどね。

目撃者が真里亞ちゃんというだけでは……。

紗音

いけません、譲治様!
……ベアトリーチェ様のご機嫌を損ねるようなお言葉は、どうかお控え下さいませ。

譲治

軽率だったね。ごめん。
けれど、彼女が僕たちの前に姿を現さないのは事実だ。
そして、次々とみんなが殺されてゆくのも……事実なんだ。

紗音
………………。
譲治
一体、誰がこんなことを……。
戦人君と一緒に必死に考えてみたけど、さっぱりだ。
あんなこと、人間には不可能だ。
紗音
ベアトリーチェ様なら可能です。
偉大なる黄金の魔女が振るう、恐るべき魔法の業ならば。
譲治
魔法、か……。
認めたくはない。認めたくはないけれど……。
紗音
最初の夜のことです。
私、ひらひらと舞う黄金の蝶を目に致しました。
思えばあれは、ベアトリーチェ様が顕現なさる前触れだったのでしょう。
譲治
僕はなんだか、六軒島という名の“妖精の輪”にでも囚われたような気分だよ。
まるでおとぎ話だ。
いや、それにしては内容が残酷に過ぎるかな。
紗音
以前、聞いたことがございます。
おとぎ話の原型は、ひどく残酷な話なのだとか。
譲治
なるほどね。聞いてるだけならいいけど、いざ登場人物の身になってみるとたまらないな。
紗音
はい……。
譲治
ボヤいたところで、ただの登場人物に過ぎない僕らにはどうすることもできない問題か。
紗音
けれど戦人様は、少し異なる見解のようでございますね。
譲治
ああ。登場人物が物語自体に挑むなんて、あまりにも大それている。
だけど、いかにも彼らしい話じゃないか。諦めず、屈服せず、思考停止せず、運命に抗い続ける。そんな道を選んだ彼を、僕は従兄として誇りにさえ思うよ。
紗音
ええ。同感です。
でも……。
譲治
どうしたんだい?
紗音
その選択が、戦人様の心をさらに苦しめることになるような気がするんです。
いっそ受け入れてしまえば楽になれるのに……。
譲治
それをしないのが、我らが右代宮戦人さ。

譲治


魔女を信じたくはないけれど、僕らにはどうする事もできない。
唯一魔女に対抗する力を持つ戦人くんに、任せる事しかできないのかもしれない…。
そんなわけでEpisode2の紹介から戦人くんに登場してもらう事にしたよ。
さぁどうする?戦人くん…。