引き裂かれる、寄り添う二人。
1986年。
密やかに恋を育む男女がいた。
譲治と紗音。
名家・右代宮の血を継ぐ男と、
そこに仕えるしがない使用人の女。
許されざる恋、成就の困難な恋。
それでもふたりは、愛を信じてひた走る。
それもすべては魔女ベアトリーチェがかけた魔法のおかげ。
人並みの幸せを知らぬ"家具"に愛の存在を語り、
芽生えた想いを魔法の力で成就へと導く・・・・・。
嘘だ。嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ。
何もかも、残酷な魔女を喜ばせるための謀り事なのだ。
結んだふたりを引き裂く快感!
それを見て周囲の人間が苦しむ様もまた痛快!
・・・・・・そして、10月4日。
魔女が果実を収穫する、残酷な宴の始まりだ。
まずは子から親を奪おう。
次は、惹かれ合う朱志香と嘉音を供物としよう。
仲睦まじく死体を揃えて飾り立てるか?
死後も人を汚し辱めることこそ、魔女の真骨頂・・・・・。
魔女の嘲笑が、嵐の六軒島を包み込む。
物言わぬ屍は、残された者たちを猜疑の泥濘へと飲み込んでゆく。
譲治と紗音の愛は、いかなる末路を辿るのか―――